前川建築見学ツアー in 音楽堂
前川建築見学ツアー in 音楽堂
前川國男設計による戦後モダニズム建築の傑作として評価される神奈川県立音楽堂は、建物そのものにも魅力がいっぱいつまっています。そんな魅力をお伝えすべく、リニューアル・オープンを機に、「建築見学ツアー」を始めることにしました。ツアーガイドは、「モノとヒトに橋を架ける」をモットーに活動するボランティアグループ bridge。知られざるモノやコトにあふれる音楽堂をご案内いたします。
建築見学ツアー詳細はこちら神奈川県立音楽堂とは・・・
神奈川県立音楽堂は、1954年、日本で初めての本格的な公立音楽専用ホールとして開館しました。
ロンドンのロイヤルフェスティバルホールをモデルに、最高の音響効果をあげるように設計されたホールは、壁面がすべて木で作られ、開館当時『東洋一の響き』と絶賛されました。国内はもちろん海外からも高い評価を受け、日本の戦後音楽演奏史の一角を担ってきたホールの、美しい響き、巨匠、前川國男の設計によるモダニズムデザインは、今でも人々に感動をあたえ、神奈川県民の音楽活動の場としても愛され続けています。
2021年に神奈川県指定重要文化財(建造物)に指定されました。
主な受賞歴
1954年 | 「日本建築学会賞(作品)」受賞 *建築に関する学術・技術・芸術の進歩発達をはかるとともに、わが国の建築文化を高める目的で、建築に関する特に優秀な業績を表彰。 |
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1955年 | 「昭和30年度表彰建築物」受賞(横浜市) |
1998年 | 「公共建築百選」選出 *当時の建設省によって選出された、優れた公共建築の100選。主な選定基準は地域への貢献度で、地域に根ざした建築であることが要点となっている。 |
1999年 | 「日本におけるモダン・ムーブメントの建築20選」選出 *DOCOMOMO(ドコモモ)(近代運動にかかわる建物・環境形成の記録調査および保存のために設立された国際的組織)より、20世紀の重要な文化遺産である建築として「日本におけるモダン・ムーブメントの建築20選」に神奈川県立図書館とともに選出された。2017年度、神奈川県青少年センター、神奈川県婦人会館を追加選定。 |
2019年 | 「照明普及賞」受賞(受賞者:神奈川県立音楽堂・前川建築設計事務所) *建築当初の形態 ・色合いを継承しつつ、元々の建物意匠を損ねることなく、新たな照明システムを組み込もうとしている点が評価できる。前川氏の照明思想を受継ぎLED化したことは、今後の建築業界においても大変意義のある事だと考えられる。(照明普及賞 寸評) |
2021年 | 「神奈川県指定重要文化財(建造物)」指定 *神奈川県立図書館・音楽堂が神奈川県指定重要文化財(建造物)に指定される。 |
公共建築百選http://j100s.com/koukyoukenchiku.html
DOCOMOMOhttp://www.docomomojapan.com/
一般社団法人照明学会 照明普及分科会https://www.ieij.or.jp/IP/index.html
神奈川県ホームページ 神奈川県の文化財https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ar3/cnt/f70052/index.html
株式会社前川建築設計事務所http://www.maekawa-assoc.co.jp/
施設概要
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施設名称
神奈川県立音楽堂
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所在地
横浜市西区紅葉ケ丘9-2
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設計管理
前川國男建築設計事務所
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音響設計
東大生産技術研究所 渡辺要研究室 担当/石井聖光(残響時間1.4秒 空席時)
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敷地面積
2,391.88m2
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延床面積
3,700.53m2
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構造
鉄筋コンクリート造り 地下1階 地上4階
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開館
1954年11月4日
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収容人員
1,106人
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座席数
1,054席(固定席966席、可動席88席) 立見52人
前川國男について
1905(明治37)年5月14日 新潟市生まれ。
1928(昭和3)年に東京帝国大学工学部建築学科を卒業すると同時に渡仏。20世紀を代表する建築家で、近代建築の礎を築いた一人、巨匠ル・コルビュジエのアトリエで学ぶ。
帰国後、アントニン・レーモンドの事務所に入り、1935(昭和10)年に独立、前川國男建築設計事務所(現:株式会社前川建築設計事務所)を設立。
その後日本を代表する建築物を数多く手がけ、日本の近代建築史に大きな足跡を残した。