子どものための公開リハーサル(2月10日)に来てださり、ありがとうございました。
みなさんからの質問にお答えします!
【指揮者について】
・なんで指揮者になろうと思ったのですか?(7才)
→私は指揮者の他にピアノの演奏や作曲をしています。
最初はピアノと作曲の練習が多かったのですが、これは1人でやることがとても多い。指揮者はみんなと音楽をすることができるので、指揮者になりました。(沼尻音楽監督)
・指揮者がオーケストラをまとめる時、何を大切にしているのですか?(10才)
→オーケストラの演奏者を愛すること、リズムを刻むのではなく音楽を表現するために指揮者がいる、ということを信じること。(副指揮者・小林雄太)
・指揮者は1人ではなく2人いてもいいのかどうかが知りたいです。(9才)
→すごくたまに、1つのコンサートに指揮者が2人いる、ということがあります。ただ、その場合も「1曲を2人の指揮者が同時に指揮をする」ということはほとんどありません。たとえば学校の授業で黒板の前に2人の先生がいて、二人が違うことを同時にしゃべったら、どっちの言うことを聞いたらいいのか、分からなくなってしまいますよね。(神奈川フィルスタッフ)
・指揮者がもつ指揮棒は何でできていますか?(7才)
→白しろい部分は木材やプラスチックなどでできています。持ち手部分はコルクや木材でできています。指揮者によって、指揮棒の長さや重さの好みがあり、曲によって何種類も指揮棒を使い分ける方もいらっしゃいますよ!(神奈川フィルスタッフ)
・指揮者の振り付けはどう決めるのですか?(12才)
→音楽のテンポや拍子を手振りで示すことは重要ですが、「どのような音楽をどうやって伝えるか」ということが一番大事です。同じ曲でも、指揮者によって全く違う振り方をしていますので、ぜひ観察してみてください。(神奈川フィルスタッフ)
・指揮者から最初に会場の規模と演奏者の人数についての説明がありましたが、例えば全く同じ曲をみなとみらいホールで演奏する時ときと神奈川県立音楽堂で演奏する時では、指揮の振り方(強弱)などは変わるのでしょうか?演奏者の弾き方も会場の広さや音の響き方で変えたりするものなのでしょうか?(大人)
→はい、その通りです。指揮の仕方も演奏の仕方も環境によって変えています。
演奏者は自分の楽器がよく鳴るように、かつ、他の演奏者と合わせられる音を出すことを意識します。指揮者は、会場の響きの長さなどによって音楽のテンポなどを変えることがあります。(神奈川フィルスタッフ)
【コンサートマスターについて】
・石田さんのサングラスは伊達メガネなのでしょうか?(大人)
→伊達ではない、と思います。(神奈川フィルスタッフ)
【オーケストラについて】
・神奈川フィルハーモニー管弦楽団の人数は何人ですか?(10才)
→約70名の演奏メンバーがいます。(神奈川フィルスタッフ)
・一番最初(1970年)に演奏した曲は何ですか?(9才)
→大木孝雄さんの指揮で、グリンカの歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲、ペルゴレージの「スターバト・マーテル」、モーツァルトの「交響曲第40番」を演奏しました。
会場は神奈川県立音楽堂隣の、神奈川県立青少年センターでした。(神奈川フィルスタッフ)
・指揮者は毎回変わっていますか?(6才)
→毎回変わります。演奏会を企画するたびに「今回の指揮者はどの方にお願いしようか」と頭をひねっています。指揮者やソリストとして出演する方は、オーケストラには所属せず音楽事務所に所属されている方がほとんどなので、事務所を通じて出演依頼をします。(神奈川フィルスタッフ)
・一番人数が多い時は何人で何の曲を演奏する時ですか?(8才)
→オーケストラだけであれば、約150人で演奏をしたことがあります。合唱が入ると、10,000人を超えることもあります。。。!(神奈川フィルスタッフ)
・演奏者の年齢は何歳さいから何歳までの方がいますか?(大人)
→神奈川フィルでは20代から60代まで幅広い年齢の演奏者がいます。(神奈川フィルスタッフ)
・楽器は全部で何個あるんですか?(7才)
→2月10日のコンサートは47人の演奏者がいましたので、舞台上には47個+αの楽器がありました。「種類」ということであれば、オーケストラで使用する楽器は40種類以上あるかもしれません。(神奈川フィルスタッフ)
・神奈川フィルハーモニー管弦楽団にはどのようにして入るのですか?(10才)
→一般的な会社のように「新卒採用(まわりの大人の人に聞いてみてね)」はありません。パートごとに決きめられた定員に「欠員」が出たとき、初めて “オーディション”が行われます。オーディションとは、自分の演奏をオーケストラのメンバーの前で演奏をしてその実力を認めてもらう会です。多いときにはオーディションに100人以上の応募があり、その中で自分の演奏を「良い」と認めてもらう必要があるため、世の中に演奏家はたくさんいますが、その中でもオーケストラの団員になれる人は少ないです。(神奈川フィルスタッフ)
・オーケストラに入りたいです。どんな楽器が入りやすいですか?(10代)
→先程の質問のお答え通り、オーディションの厳しさは楽器によって変わらないので、入りやすい楽器というのはありません。楽器を演奏している人数によってライバルが多い少ない、ということはあるかもしれません。(神奈川フィルスタッフ)
・大人数での活動ですが、コミュニケーションの取り方などでの工夫や気を付つけていることはありますか?(大人)
→演奏のプレッシャーに日々さらされていますが、その緊張感などを他の方に伝えないよう、演奏の場や休憩時間を明るい時間にするため、ちゃんと挨拶をして、仲間が元気になるような言葉をかけ、よく笑うなど、円滑なコミュニケーションを心がけています。(神奈川フィルスタッフ)
・とても素晴しい演奏ありがとうございます。
指揮者の腕の振りと音楽の抑揚が違うと感じる部分があったのですが、どのように調和させているのか知りたいです。指揮者が小さく振っているのにクライマックスだったり・・・(大人)
→お褒めいただきありがとうございます。指揮者のアプローチは人それぞれで、リハーサルと本番でもアプローチが変わります。沼尻音楽監督のリハーサルは曲の本質を表現するための細部の確認を重視しつつ、大きな音楽の流れは決して乱さない、ということを追求されているように思います。指揮者とオーケストラは主従関係にあるわけではないので、沼尻監督のような充実したリハーサルを重ねると、本番に向けてオーケストラの積極的な表現が引き出され、指揮者がより良い演奏のために様々なアプローチを変えても、(もしかしたら、腕の振りを小さくしても)、オーケストラは良い演奏をすることができるのです。(神奈川フィルスタッフ)
・どうやって石田さんと大江さんの公演を分けているのですか?(大人)
→お二人とも、神奈川フィルのコンサートマスター以外の仕事もたくさんされているので、演奏会の時期や指揮者、曲などを見てよーく相談して、担当する公演を決めています。(神奈川フィルスタッフ)
【楽器演奏について】
・どうしてこんないろんな音が出るのかな?(8才)
・なぜあんなに大きく強弱を変えられるんですか?(8才)
→毎日、楽器の演奏の練習をたくさんしたからです!(神奈川フィルスタッフ)
・毎日どれくらい練習しているんですか。(8才)
→人それぞれですが、1日に1時間から6時間くらいの間です。10時間という方もいます!(神奈川フィルスタッフ)
・ホルンの中に入れている手はどうなっていますか?(8才)
→手を開いたり閉じたりして、音色の細かいニュアンスを調整しています。(神奈川フィルスタッフ)
・なんであんなに音が響くんですか?(6才)
→神奈川県立音楽堂は音が良く響く、素敵なホールでしたね。ホールが持つ響きの特徴とオーケストラの演奏の響きがマッチすると、今回のようにキレイに音が響くんですね。(神奈川フィルスタッフ)
・ヴァイオリンの方はいつから習われていますか?娘がピアノをやっていて小4です。まだ間に合いますか?(大人)
→ヴァイオリンは、3歳や4歳くらいから始められる方が多いようです。しかし、中学生から始めてプロとして活躍されている方もいるので、御本人の努力次第と思います!(神奈川フィルスタッフ)
・金管楽器の方への質問です。私は吹奏楽部でホルンを吹いています。どうしても高い音でロングトーンをすると不安定になってしまうのですが、どうしたらいいですか。(10代)
→安定した腹式呼吸の練習と、美しい音のイメージをもって良い練習を毎日続けることがとても大事です。(神奈川フィルスタッフ)
【音楽堂について】
・なぜ音の響きがよいのかホールの工夫を教えてほしい(大人)
→「響きが良い」とはどういうことか、を説明するのはなかなか難しいことですね。お風呂の中のように音が長く響きすぎてもモヤモヤしてしまうし、短すぎると音がきれいにブレンドしません。また余計な跳ね返りがあると一つ一つの音の粒がよくつかめません。
音楽堂は「木のホール」の愛称で知られる通り、舞台から客席まで全ての壁と天井が独特なカーブを描いた木でできていて、裏側には芯材として数十センチ間隔で木材が組み上げられています。コンクリートの建物の中にすっぽりと木造建築がおさまっているわけです。
国内の他のホールでも壁の表面に木材を張っているところは多いですが、芯材までというのは少ないので、これらの木が、残響が長すぎず、短すぎず、クリアで芯がしっかりしながら適度に柔らかい独特の響きを出していると思われます。建築中には何度も音響実験を行ったそうです。
また音楽堂は、日本初の本格的な公立音楽ホールだったので周囲の期待も大きく「オペラを演じるには舞台裏が小さい」等、建築中に様々なご意見もあったようですが「あくまでコンサートホールに徹する」という方針を貫いたということも良かった、と言われています。(音楽堂スタッフ)
・説明の際に「音の響きがどこにいてもあまり変わらない」と聞いたのですが、それはなぜですか。(10代)
→音楽堂をつくるときに「すべての席から舞台が良く見えるよう、舞台を低くし、床を段々にするように」「客席と舞台がなるべくひとつになった感じがするように」と工夫したそうです。
よく見えるからよく聴こえるとは限りませんが、どの席に座っている人も舞台に集中できることを大切にしてつくられたホールなのですね。また、音楽堂は、壁や天井、その裏の芯まで木でできた「木のホール」なので、舞台で音を鳴らすと、客席も含めてホール全体がひとつの楽器のように鳴る、というふうにできているのだと思います。(音楽堂スタッフ)
【感想】
〈神奈川フィル〉
・上手に演奏するのがすごかったです。私もやってみたいです。(8才)
・これからも良い演奏を期待しています。(大人)
・指揮者が明るく説明してくださってよかったです。(大人)
・子どもにとって初めての生演奏を聴けて大変いい経験になりました。今後もこういう機会を作ってほしいです。(大人)
〈音楽堂〉
・建築の保存、大変ですが維持管理してください。(大人)
・とても音がよく響いて素敵でした。(大人)
たくさんの質問をありがとうございました。
こどものための公開リハーサルは、来年度も行う予定です。
決まり次第ホームページでお知らせします。おたのしみに!