幸田浩子(ソプラノ)

寺嶋陸也(ピアノ)

午後のひととき、ご家族、ご友人とお楽しみください。

幸田浩子ソプラノ・リサイタル

懐かしい日本のうた、憧れの世界の歌

  • 日時 2013/9/4(水) 12:15 開演 (11:30 開場)
  • 会場 ホール
  • KAme
    先行
    2013/6/1(土)
  • 一般発売 2013/6/8(土)
  • お問い
    合わせ
    神奈川県立音楽堂業務課 045-263-2567(9:00~17:00 月曜休館)

瑞々しい歌うこころ~懐かしい日本のうた、憧れの世界の歌

 音楽史上、最初に出現したジャンルは「歌」であり、人の身体のみで表現する「歌」は音楽の基本であることに異論はないだろう。

 ではその「歌」の語源とは何か。諸説あるようだが「訴(うった)ふ」や「相手の魂を強く揺さぶり《打つ》」などがあり、いずれも相手に言葉や内容を伝えるという意味が込められている。とすれば歌詞は大変重要であり、歌詞が聞き取れなかったり発音が曖昧であれば、その魅力は半減してしまう。

 そういう原点を幸田浩子は十二分に理解しているのであろう。テキストに対する彼女の対応は実に丁寧だ。それがラテン語であれ、イタリア語であれ、ドイツ語であれ、フランス語であれ、そして日本語であれ…。その上で音楽を鮮やかな境地にまで高めつつ、作品に込められた人間ドラマ、すなわち郷愁や憧憬、自然への思いやりや畏怖、そして作曲家や作詞家の心象風景を余すところなく表して比類がないのだ。

 だからこそ彼女が歌い上げる歌曲は、何の衒いもなく心にストレートに沁み入ってくる。それは彼女がいかに各々の歌曲に深い共感を携え、真摯に対峙しているかに他ならない。短い歌曲のそれぞれに織り込まれたドラマを見事に再現し、自らの個性を調和させて歌い上げる彼女の何とひたむきなことか。

 来年開館60周年を迎えるこの神奈川県立音楽堂の響きは格別だ。柔らかであたたかな木の温もりのあるホールが幸田浩子の歌で満たされる時、異次元ともいうべき至福の空間が生み出される。

 いつもとはちょっと違う極上の午後に、しっとりと身を浸してみたい。

真嶋雄大(音楽評論)

幸田浩子(ソプラノ) 寺嶋陸也(ピアノ)この道(山田耕筰) からたちの花(山田耕筰) 小さな空(武満徹) 翼(武満徹) ウィーン、わが夢の街(ジーツィンスキー) ヴィリアの歌 (オペレッタ「メリーウィドウより」)(レハール)   ほか幸田浩子(こうだ ひろこ)ソプラノ  東京藝術大学を首席で卒業。同大学院、及び文化庁オペラ研修所修了後、ボローニャ、並びにウィーンで研鑽を積む。数々の国際コンクールで上位入賞後、欧州の主要歌劇場へ次々とデビュー。カターニア・ベッリーニ大劇場『清教徒』、ローマ歌劇場『ホフマン物語』、シュトゥットガルト州立劇場『皇帝ティトの慈悲』セルヴィーリア等数々の大舞台で重要な役を演じ、オペラの母国で豊かな経験を積む。2000年名門ウィーン・フォルクスオーパーと専属契約し、その間『後宮よりの逃走』、『ファルスタッフ』等に出演。専属を離れてからも、『魔笛』夜の女王等で客演。国内では新国立劇場、二期会等の公演で『ナクソス島のアリアドネ』ツェルビネッタ、『こうもり』アデーレなどとの共演や全国各地でのリサイタルなど多彩な活動を展開。メディアへの登場も多く、NHK-FM「気ままにクラシック」で4年間笑福亭笑瓶氏とともにパーソナリティを務め人気を博し、2012年 10月からはBSフジにて音楽&トーク番組「レシピ・アン」にMCとしてレギュラー出演中。2013年6月に新国立劇場『夜叉ヶ池』(新制作/創作委嘱作品・世界初演)百合、11~12月には同『ホフマン物語』オランピアでの出演が予定されている。第14回五島記念文化賞オペラ新人賞、第20回エクソンモービル音楽賞奨励賞受賞。二期会会員http://columbia.jp/koudahiroko/ 寺嶋陸也(てらしまりくや)  1964年生まれ。東京藝術大学音楽学部作曲科卒、同大学院修了。オペラシアターこんにゃく座での演奏や、97年東京都現代美術館でのポンピドー・コレクション展開催記念サティ連続コンサート「伝統の変装」、03年パリ日本文化会館における作品個展「東洋・西洋の音楽の交流」などは高く評価され、06年にはタングルウッド音楽祭に招かれボストン交響楽団のメンバーと自作を含む室内楽を演奏した。作曲のほか、ピアノの演奏や指揮、音楽祭の音楽監督など、活動は多方面にわたる。オペラ『ガリレイの生涯』『末摘花』、合唱ファンタジア『オホホ島奇譚』『樹の奇・危・嬉~ピカソくんとうたおう』、ヴォードヴィル『タバコの害について』、『尺八・二十絃箏と管弦楽のための協奏曲』、合唱のための『詩篇第49番』『沖縄のスケッチ』、オーボエ・三味線と打楽器のための『異郷の景色』、古代復元楽器のための『大陸・半島・島』、朗読と筝、室内管弦楽のための『貝の火』など作品多数。「大陸・半島・島/寺嶋陸也作品集」(ALCD-9026)、「二月から十一月への愛のうた(栗山文昭の芸術2/寺嶋陸也作品集)」(VICS-61092)その他室内楽や歌曲のピアノなど、多くのCDがある。作品はこれまで国内はもとよりイタリア、イギリス、フランス、オランダ、スペイン、アメリカ合衆国などでも演奏されている。ホームページ http://www.gregorio.jp/terashima/

チケット

当日券
11:15より販売。全席指定 一般3,500円 学生(24歳以下)2,000円
チケット発売日

KAme先行(かながわメンバーズWEB先行販売): 2013/6/1(土) ~2013/6/7(金)

かながわメンバーズ入会はこちら

一般:2013/6/8(土)

チケット料金
全席指定 一般3,500円 学生(24歳以下)2,000円
主催 神奈川県立音楽堂[公益財団法人神奈川芸術文化財団]

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