平日お昼のコンサート
小林沙羅(ソプラノ)・藤木大地(カウンターテナー)・新ヴィヴァルディ合奏団
スプリング・コンサート
- 日時 2014/3/13(木) 13:00 開演 (12:30 開場)
- 会場 ホール
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KAme
先行 2013/8/28(水) - 一般発売 2013/9/4(水)
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お問い
合わせ 神奈川県立音楽堂業務課 045-263-2567(9:00~17:00 月曜休館)
~春のコンサートに寄せて~
ソプラノの小林沙羅は東京藝術大学、大学院を卒えた後、2011年にヨーロッパへ留学したのだが、翌12年にはブルガリアのソフィア国立歌劇場でプッチーニ「ジャンニ・スキッキ」ラウレッタ役でデビューしている。アリア<私のお父さん>で知られるあの役である。渡欧して1年目だから、歌い手としての楽才をすぐに認められたわけだが、確かに声が美しく、ルックスも上々、表現力に長けた俊才といえる。帰国後もオペラでリリカルな諸役を歌い演じ、宗教曲のソロを務め、リサイタルも開いているから彼女の豊かな歌唱を聴かれた人も多いのではなかろうか。そう、評判の高かった「のだめカンタービレ」でも歌っていた。
カウンターテナーの藤木大地も、大変、声と才能に恵まれた歌い手である。毎年秋に行われている日本音楽コンクール、通称「音コン」の声楽本選を私は既に四半世紀の間傍聴しているのだが、昨年の第81回時に藤木が歌い始めたときに少々驚かされた。カウンターテナーはややもすると或る音程で癖のある発声になることが多いのだが、彼の声は非常に円滑で磨きこまれ、歌もとても豊潤だった。だからひょっとしたらと思ったが、やはり声楽部門第1位を手にした。カウンターテナーでは初である。古典から現代までレパートリーの幅は広く、現在もウィーンで琢磨を重ねる逸材であり、期待大の一人といえる。
新ヴィヴァルディ合奏団はつとに知られるアンサンブル。オリジナル楽器で演奏しながらも、感覚は清新でクラシック系ばかりでなく、日本の歌もポピュラーも楽しく聴かせてくれる。
さて、このように若く才能に溢れたふたりの歌い手が名手揃いの弦楽アンサンブルのサポートを得てのびやかに歌う様は、聴いていてまことに楽しいことだろう。<からたちの花>のようによく知られた日本のうたや、アンドリュー・ロイド・ウェッバーの<レクイエム>から“ピエ・イエズ”など魅力的なプログラムが用意されているようだ。うららかな春の一日、かつてドイツの大歌手エリザベート・シュワルツコップやヘルマン・プライも絶賛した木のぬくもりを感じさせる音楽堂で、ゆったりと名歌名曲を楽しまれてはいかが。
小山 晃(音楽評論家)
小林沙羅(ソプラノ) 藤木大地(カウンターテナー) 新ヴィヴァルディ合奏団(室内オーケストラ)(予定プログラム) シューベルト:アヴェ・マリア グリーグ:ソルヴェイグの歌 早川正昭:日本の四季(新ヴィヴァルディ合奏団) 山田耕筰:からたちの花 越谷達之助:初恋 ヘンデル:オンブラ・マイ・フ ロイド・ウェッバー:ピエ・イエズ ほか 曲目・曲順はやむを得ず変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。 小林沙羅(ソプラノ) 東京藝術大学卒業、同大学院修了。’10年度上期野村財団奨学生、’11年度文化庁新進芸術家在外研修員。ウィーン在住。 ‘06年に神奈川県立音楽堂「上り坂コンサート」にてデビュー。その後『こうもり』アデーレ(佐渡裕指揮)、『トゥーランドット』リュー(井上道義指揮)、『ヘンゼルとグレーテル』グレーテル(下野達也指揮)、千住明作曲『隅田川』「源氏物語」『万葉集』(初演)、三枝茂彰作曲オペラ『KAMIKAZE』愛子(初演)(大友直人指揮)、ヘンデル「メサイア」、ハイドン「天地創造」、フォーレ「レクイエム」等に出演。NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢等と共演を重ねる。’12年にはいずみホール(大阪)、紀尾井ホール(東京)にてソロリサイタルを開催。 ’12年ブルガリアのソフィア国立歌劇場にて「ジャンニ・スキッキ」ラウレッタ役で欧州デビュー、同歌劇場「愛の妙薬」プレミエ公演にアディーナ役で出演、ウィーン楽友協会やブラジルにて交響楽団と共演、ウィーンのオペレッタコンクールで2位を受賞等、海外に活動の幅を広げている。 現代詩表現グループ<VOICE SPACE>メンバー。詩人の谷川俊太郎、佐々木幹郎氏らと共演。詩の朗読や日本の歌、新曲演奏にも力を入れている。〈サイトウ・キネン・フェスティバル〉〈ラ・フォル・ジュルネ音楽祭〉参加、映画「のだめカンタービレ」での歌唱、テレビ朝日「題名のない音楽会」出演、’13年「NHKニューイヤーオペラコンサート」出演等でも注目を浴びている。’14年3月28日には再び紀尾井ホールにてソロリサイタルを開催予定。 藤木大地(カウンターテナー) 2012年、第81回日本音楽コンクール声楽部門第1位。 カウンターテナーとして史上初の優勝者となり、注目を集めた。 2013年5月にボローニャ歌劇場開場250周年記念公演「クレーリアの勝利」マンニオ役でデビュー。続いて6月にも同劇場において「イタリア式離婚狂想曲」にカルメロ役で出演するなど、国際的に高い評価を受けている。 宮崎大宮高校を経て、東京藝術大学卒業。新国立劇場オペラ研修所修了。文化庁派遣芸術家在外研修員としてボローニャ、ロームミュージックファンデーション奨学生としてウィーンに留学。 2003年に新国立劇場公演「フィガロの結婚」クルツィオ役でテノール歌手としてデビュー後、国内外での演奏活動をはじめ、コンサートプロデュース、ウィーン国立歌劇場におけるオペラ制作についての研修、ウィーン国立音楽大学院での文化経営学の研究など、多彩に活動する。 2011年に歌手活動をカウンターテナーに転向。同年11月、ローマ国際宗教音楽コンクール2011にてファイナリストとなる。 2012年、第31回国際ハンス・ガボア・ベルヴェデーレ声楽コンクールにてオーストリア代表として2年連続で選出され、世界大会でファイナリストとなり、ハンス・ガボア賞を受賞した。 バロックからロマン派を経てコンテンポラリーまで、音楽史を縦断する幅広いレパートリーにてインターナショナルなキャリアを築いている。 鈴木寛一、マイケル・チャンスなど諸氏に師事。 宮崎市出身、ウィーン在住。 新ヴィヴァルディ合奏団 1979年10月に指揮者の早川正昭とソリスト級の演奏家達によって結成された合奏団である。 全員が名器グァルネリをはじめ主としてバロック時代に製作された楽器を使用し、美しい音色と、緻密なアンサンブルに定評がある。レパートリーはバロック時代の作品のみならず、バッハやモーツァルトといった古典作品から現代作品に至るまで幅広く、より多くの人々に楽しんで頂くために、民謡やポピュラー・ナンバーを加えたものや、早川正昭によってつくられたバロック風「日本の四季」等、多彩なプログラムと優れた演奏によってこの種の演奏団体の中では、コンサート、テレビ、ラジオの出演回数は最多記録を誇っている。チケット
チケット発売日 |
KAme先行(かながわメンバーズWEB先行販売): 2013/8/28(水) ~2013/9/4(水) かながわメンバーズ入会はこちら一般:2013/9/4(水) |
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チケット料金 |
全席指定 一般3,000円 学生(24歳以下)2,000円
*学生券は、チケットかながわのみで取り扱います。枚数に限りがあります。
*未就学児童の入場はお断りいたします。
*一般券は、チケットぴあ http://pia.jp/ [Pコード207-171]、イープラス http://eplus.jp/ でも取り扱います。)
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主催 | 神奈川県立音楽堂[公益財団法人神奈川芸術文化財団] |
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