70th Kanagawa Prefectural Music Hall 音が歴史を刻んで70年

神奈川県立音楽堂 70周年 神奈川県立音楽堂 70周年
神奈川県立音楽堂 70周年 神奈川県立音楽堂 70周年

神奈川県立音楽堂
70周年

1954年、戦後の荒廃から立ち上がろうとする人々の心を音楽で力づける復興の礎として、横浜港を見おろす紅葉ケ丘に、日本初の本格的公立音楽ホール、神奈川県立音楽堂は開館しました。
新しい時代を切り拓く精神の象徴ともいえる、モダニズム建築の巨匠、前川國男の名建築。国内外の音楽家たちから「東洋一の響き」と絶賛された「木のホール」。世界的巨匠から子どもたちまで、多くの人がここに集い、戦後日本の音楽シーンの一時代が創られました。2024年、開館70周年。「音が歴史を刻んで70年」のキャッチフレーズのもと、多彩な記念プログラムをお贈りします。「リビング・ヘリテージ―生きた遺産」として、大切に守り続けてきた響き、空間、そして今も、皆さまによって、今日から明日へと更新され続ける記憶の歴史が、お待ちしています。

開館当初の写真

2024年10月31日~11月4日
開館70周年記念週間開催

2024年~25年の1年をとおしてくりひろげられる開館70周年記念プログラムのハイライトとして
「70年前、音楽堂が開館した日」である11月4日を中心に
音楽堂の70周年をともに祝い、楽しみつくす「開館70周年記念週間」をお贈りします。

EVENTS 70周年記念週間

紅葉坂の四季

開館70周年記念ガラコンサート 紅葉坂の四季

2024/11/4(月・振休)

音楽堂の誕生日、11月4日を祝う、ゴージャスな室内楽ロングコンサート。不朽の名曲、ヴィヴァルディ「四季」と川上統の委嘱新曲「紅葉坂の四季」世界初演。バロックから現代、歌曲から協奏曲まで。音楽堂ゆかりの巨匠から新進気鋭の若手まで。木のホールの響きで、めくるめく音の祭典を心ゆくまでお楽しみください。

  • 出演

    吉野直子(ハープ)  神尾真由子(ヴァイオリン)  小林道夫(チェンバロ)  大塚直哉(チェンバロ)
    上野星矢(フルート)  中恵菜(ヴィオラ)  中山美紀(ソプラノ)  神田佳子(打楽器)
    開館70周年記念アンサンブル
    戸原直、福田俊一郎、ビルマン聡平、山本翔平(ヴァイオリン)
    中恵菜、村田恵子(ヴィオラ) 富岡廉太郎、三宅依子(チェロ) 永井桜(コントラバス)

音楽堂ファミリーデー

音楽堂ファミリーデー

2024/11/3(日・祝)

文化の日、音楽堂へ遊びにきませんか?
木のホールでのコンサートはもちろん、楽器づくりやご案内スタッフ体験など、子どもたちが音楽と気軽に出会える一日です。

  • 出演

    ピアノデュオ デュエットゥ かなえ&ゆかり(デュオピアニスト、作・編曲家)

音楽堂建築見学会

音楽堂建築見学会

2024/11/2(土)

名建築、音楽堂の魅力スポットを見学していただけます。響きが美しいといわれる音楽堂。音響をテーマとしたレクチャーと座談会、そしてミニコンサートをお楽しみください。

  • お話

    石渡智秋(株式会社永田音響設計)、礒絵里子 ほか

  • ミニコンサート

    礒絵里子(Vn)中川賢一(Pf)

音楽堂アーカイブ展
過去の展示より

音楽堂アーカイブ展

2024/10/31(木)~ 11/4(月・振休)

70年にわたる音楽堂の歴史を語る、貴重なプログラム、ポスター、サイン、写真などのアーカイブ資料。その一端をお見せします。あの巨匠による伝説のコンサートや、あなたの想い出のコンサートも見つけられるかもしれません。

HISTORY音楽堂物語 70年の歩み

前川國男による名建築

神奈川県立音楽堂は、日本の近代建築史に大きな足跡を残した名建築家、前川國男によって設計されました。前川は1928年に渡仏し、20世紀を代表する建築家、ル・コルビュジエに師事し、帰国後はレーモンドの事務所に所属。いずれも、近代建築の楚を築いた世界的巨匠たちです。1935年の独立後、日本を代表する「モダニズム建築」の数々を手がけ、近年ますますその業績が高く評価されています。音楽堂は初期の代表作とされ、いまも建築を学ぶ学生や、専門家から注目されています。

音楽堂の建築の魅力をボランティアガイドが解説する「前川建築見学ツアーin音楽堂」を開催しています。

前川建築見学ツアーin音楽堂を見る
建設中の音楽堂屋上に立つ前川國男
建設中の音楽堂屋上に立つ前川國男

愛され続けた
「木のホール」の響き

「音響設計」という言葉がまだ一般になかった音楽堂開館当時。前川が指名したのは東大生産技術研究所にいた弱冠20代の石井聖光。コンピュータ技術などない時代、2人は最高の音響効果をめざして当時の粋を集め、コンクリートの建築の中にすっぽりと木造建築が入ったように、客席と舞台を取り囲む壁と天井を土台から芯材まで全て木材で造った「木のホール」を作りました。不世出のソプラノと言われたシュワルツコップが「あの木のホールがスケジュールに入っていないなら、私は日本に行きません」と言ったというその響きは、以来70年間、国内外で愛され続けています。

photo:S.Aoyagi
photo:S.Aoyagi

世界的巨匠も子どもたちも
いまも更新される記憶の歴史

国内初の本格的音楽ホールでは、伝説的巨匠から日本の音楽界を担う若き日の重鎮まで、様々な音楽家の公演がくりひろげられました。さらに地元の子どもたちの発表会やアマチュア合唱の定期演奏会まで、その歴史はまさに戦後日本の音楽シーンを切り取ったよう。音楽堂には、70年間の歴史を物語る貴重なアーカイブ資料が眠っています。その一部を開館70周年記念週間「音楽堂アーカイブ展」でお見せいたします。

音楽堂で開催された過去のコンサートの記録、これから行われるコンサートの情報は、「イベントを探す」で検索できます。空欄に任意の年月日、気になるキーワードをいれて検索してみてください。

イベントを探す
音楽堂アーカイブのひとつ、エリザベート・シュワルツコップのサイン(1972年)photo:Satoshi Aoyagi
音楽堂アーカイブのひとつ、エリザベート・シュワルツコップのサイン(1972年)
photo:Satoshi Aoyagi